君の声

「お、おう、持ってきたぞ」

「わー」



でもプレゼントはすごく喜んでくれた。
プレゼントは…。


「おにいちゃん、あそぼー」

「隆義くん、今日はごちそうだから、たくさん食べてってね!」



僕のこともまんざらでもなさそうだ。

ほっ。




クリスマスパーティーは楽しく幕を閉じた。


ただ、ひとり…



「にいちゃん、サチちゃんは?」

「サチは……」

「…たろうくん、もうおやすみの時間よ」

「はーい…おやすみなさい」



今日もここにいるはずだったサチが…いない。



あんなに楽しみにしてたのに…





「…まだみつからないのね」

「………」

「警察からは何も言ってこない?」

「はい…」

「家に帰ったんじゃないかしら…?」

「そんなはず…、サチは家を恐れていたんですよ」

「そうね…」




後片付けをして、僕は帰ることにした。


「今日はありがとう。子供たちも喜んでたわ。まさか来てくれるなんて思わなかった」

「サチと約束してたんです。クリスマスはデートしようって言ったのに、園でのパーティーの方が大事だって」

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