君の声

「まぁ、そうなの?うれしいわ…。うちはサチさんがいてくれてすごく助かってたのよ」

「サチもここに来てイキイキしてました…」

「また戻ってきてくれないかしらねー…」

「…………」

「…ああ疲れた。隆義くんも疲れたでしょ、子供はパワフルだものね。でもまた来てくれる?あの子たち元気に振る舞ってても本当は寂しいんだと思うの…」

「ええ。また来ます。実は僕も寂しいんで」

「まぁ、隆義くんったら!じゃあ、体に気をつけて頑張って」

「ありがとうございました。じゃ、また」




―コツン


「ん?」


玄関のドアを開けようとすると、何か当たった。


構わず開けてみると…





「園長先生!」

「どうしたの、何かあったの!?」

「これが玄関に…」

「え?…あら、ケーキだわ。一体誰が…?」

「…たぶんサチだと思います。クリスマスにケーキを作ろうかなって言ってた…」

「まぁ…、サチさんがこれを…」

「まだ近くにいるかもしれない…、失礼します!」

「ああ、隆義くんっ…」

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