君の声

どうして今、僕の隣りにサチはいないんだろう…。


去年は初めての二人での年明けで、一晩中起きていて初日の出を見たっけ…。



きれいだった。



今年は僕はひとりで………



サチは初日の出、見たか…?






「年明け早々ごくろうだな。今年もよろしくな!ってことで今夜新年会開かねぇ!?」

「だめだよ、明日もあさっても配達あるし、酒臭かったらヤバいだろ」

「なんだよ、つまんねーなぁ。じゃその次ならいいのか?」

「うん…、その次なら。それにしてもノブ、年賀状1通?しかもこれ店…」

「俺は口で挨拶し合っちゃうタイプなんです!ほっとけよ。…ところで彼女のこと、もうフっちゃったの?」

「ああ」

「あーあ、もったいねぇ。なんでだよー?」

「まぁ、つもる話はまた今度な。じゃ!まだ配達残ってるから」





そして数日後、近くの居酒屋で男2人、小さな新年会を開いた。



「今年もおまえと2人か…。あーあ…」

「…ノブこそ彼女つくれよな。僕におせっかいやく前に」

「そうだよなー。俺って人がいいからなぁ」

「おい……」

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