君の声
「きゃははははは」
…なんだか疲れた。
「僕そろそろ帰るわ」
「えー、もうちょっと遊ぼうよー、タカちゃん!」
「や…、ちょっと用を思い出してさ」
「えー?」
「まぁいいじゃん、帰るって言うヤツは。あとは俺に任せなさぁい!バイバイ、タカちゃん!」
「…………」
ノブはもうドロドロに酔っていた。
大丈夫かな…?
杏香さんは…
気になっていたけど、元気そうに、明るく振る舞っていた。
もう吹っ切れてくれたのかな…。
正月気分も抜け、世の中はまた普通の日々になった。
僕は相変わらず、配達をしながらサチを探している。
この前見掛けた場所にも何度も行った。
けれど、もう見掛けることはなかった…。
次の休日、僕は意を決してサチの…、椎葉あおいの実家を訪れた。
門前払いだった…。
「あの男まだチョロついてるの!?しつこいわね。あおいもなんであんな男を相手にしたのかしらね?…まさか今でも会ったりしてないでしょうね!?」