君の声

「きゃははははは」




…なんだか疲れた。



「僕そろそろ帰るわ」

「えー、もうちょっと遊ぼうよー、タカちゃん!」

「や…、ちょっと用を思い出してさ」

「えー?」

「まぁいいじゃん、帰るって言うヤツは。あとは俺に任せなさぁい!バイバイ、タカちゃん!」

「…………」



ノブはもうドロドロに酔っていた。

大丈夫かな…?





杏香さんは…
気になっていたけど、元気そうに、明るく振る舞っていた。

もう吹っ切れてくれたのかな…。






正月気分も抜け、世の中はまた普通の日々になった。


僕は相変わらず、配達をしながらサチを探している。

この前見掛けた場所にも何度も行った。

けれど、もう見掛けることはなかった…。





次の休日、僕は意を決してサチの…、椎葉あおいの実家を訪れた。




門前払いだった…。





「あの男まだチョロついてるの!?しつこいわね。あおいもなんであんな男を相手にしたのかしらね?…まさか今でも会ったりしてないでしょうね!?」

< 58 / 112 >

この作品をシェア

pagetop