君の声
「はーい」
子供たちに混ざって私も元気よく返事をした。
「…サチさん!」
「お久しぶりです。…私の分もありますか?」
「たくさんあるわ!さぁ早くおいで!お茶も入れたからね!」
黙っていなくなったこんな私を、園長先生はあたたかく迎え入れてくれた…。
「すみませんでした…。散々お世話になっておいて、お礼も言わずに…」
「本当よ!サチさんがいなくなってみんな悲しんだんだから!特に隆義くんは…。隆義くんとはもう会ったの?」
「タカは…ゆうべうちに来てくれました」
「そう!じゃご両親とお話を?」
「いいえ…。私、タカを追い返しちゃったんです…」
「え?どういうことなの!?…サチさん、あなたどうして急にいなくなったりしたの!?」
―カチャッ
「ただいま、サチ」
僕はサチのコートに話しかけていた。
サチのコートを抱きしめた。
…サチの香りだ。
―ぷるるる…
「はい」
『おう聞け!俺ついに彼女ができたぜ!ひょ~』