君の声

「別におまえを責めてるわけじゃないよ。ただ、彼女がそんだけおまえのことを想っていたということを知らせた方がいいかな…と」

「お見舞い…行った方がいいかな…?」

「やめとけ。彼女へ気持ちもないのに、傷をえぐるだけだろ。…俺が行くからいいよ。じゃあな!」


そんなこと言われても…、どうしたらいいんだ、僕は…。






「あら、隆義さん!本当によく会うわね」


おばちゃんだった。


サチと会えたことを話したらおばちゃんは喜んでくれた。



僕は聞いてみた。


「サチに本当の母親だということを明かしますか…?」

「……でもねぇ」

「これからもずっと遠くから見ているだけでいいんですか?」

「…あの子につらい思いをさせたのだもの、母親を名乗る資格はないわ…。このまま遠くから見ている、それだけでいい。隆義さんがこうやって、たまにあの子の話を聞かせてくれると嬉しいわ」



おばちゃんは、寂しげに笑ってた。






―「お嬢様っ、そんなに速く歩かないでくださいよー!」


…うっとおしい。

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