君の声
「もう本当に大丈夫だから!私ひとりで歩けます!」
「ご主人様の命令なんです、ちゃんと従って下さい!」
「はぁ…。あんまりうっとおしいと私また逃げるよ!?」
「いいえ、逃がしません!そのために私がいるのですから!」
「私を守るためじゃなくて、逃がさないために!?」
「どっちもです!」
「…もういやだ!」
ええい、逃げちゃえ。
「だめですっ、逃がしませんよ!」
「やっ、はなしてよっ…、誰か助けてぇ!おまわりさーん…!」
「ちょっ…、お嬢様っ…!」
「どうしたんですか?」
ちょうどおまわりさんが通り掛かり、ガードマンは抑えられた。
「ス…ストーカーなんです、この人!」
「なに!?」
「違いますよ!私はお嬢様のガードを…!」
「話を伺いますのでちょっと署まで」
「違いますって!お嬢様、違うって言ってくださいよ!おーい…」
「お姉さんもちょっと署まで…あれ?」
私は隙をみてその場を離れた。
このままタカのところに行ってしまおうかと思った。