君の声

どうして!?
お風呂の時以外、ずっと肌身離さずつけていたのに…!


よく思い出してみた。



「…あ」



もしかしたら…ガードマンともみ合った時に…外れちゃった!?


「やだよ……っ、…う、うわ~ん、うわ~ん…」


私は子供みたいに大きな声をはりあげて泣きわめいた。

壁は防音だから外には聞こえない。


今すぐ探しにいきたかった…。



タカ……







『留守番サービスです………』


「さっきから誰にかけてんの?ひとつもつながってないじゃん」

「サチ…。もう4日も留守番なんだ…。学校にも行ってないみたいだし…」

「旅行にでも行ったんじゃね?」

「携帯は持って行くだろう。それにそれなら知らせてくれるはずだ」

「そうだな。…何かあったのかな?」

「何かって、何だよ!?」

「事故とか病気とか…」

「やめてくれ!」

「…俺、家行って様子見てこようか?」

「えっ!?」


一瞬あの時のことが頭をよぎった…。


「そんな怖い顔すんなよ!勧誘のふりして様子見るだけだよ!おまえはまだ行けないんだろ?」

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