君の声
よくもコロコロと嘘ばかり出てくるな。
「ノブ、おまえもな!」
「俺、役者になろうかしら?やーもう疲れたけどおもしろかったー、はっはっはっ」
「…………」
「…すまん、笑ってる場合じゃないな。サチちゃん絶対家に居るって思って、俺外から覗いてみたんだけどさー」
「居たの!?」
「いや、何も見えなかった」
「なんだ…」
「メイドが嘘を吐くってことは…何かあるんだよ。…隔離でもされてんじゃねぇか?」
「なんで!?」
「わかんねぇけどさ。おまえ早く助けてやれよ」
「…わかってるよ!」
―トントン
「お嬢様、夕食お持ちしました…まぁ、お昼またこんなに残して…、体壊しますよ」
「…………」
「…今日やたらとお嬢様を訪ねて来られる方が多くて疲れました」
「…誰!?」
「宅配便に昔のお友達にセールスにアンケート。…あと作田教授。ご存じですか?」
「さくた…、作田教授?…知ってる。とてもいい先生よ…」
「そうなんですか。教授には40度の熱で寝込んでいると言いましたので」
「どうしてそんな嘘を…」