君の声

「ご主人様の命令なので。…夕食、ちゃんと食べて下さいね」




ノブさんが…来てくれたんだ。

きっとタカが心配してくれてるんだ…






1週間経ち、私はやっと謹慎部屋から出してもらえた。



「今日からまた通学しなさい。ガードマンの竹田君はほとほと嫌気がさしたと退職した。次が決まるまでメイドの田中さんについていてもらう。卒業まであと少しだ。これ以上横道にそれることなく頑張りなさい」




ずっと小部屋でじっとしていたので、なんだかフラフラしていた。

喉も重たく感じ…
また声が出なくなるかもしれないと思った…。





「お嬢様、早く」

「あ…」


確かこの辺りでガードマンともみ合った…



「お嬢様、何してるんですか?」

「ペンダントがなくなって…、この前ここで落としたんじゃないかと…」

「私探しておきますから、早く行きましょう、遅刻します」



田中さんの言うことなど聞かず、私はペンダントを探していた。



「お嬢様!」

「…どうして私をそんなに縛り付けるの!?本当の娘でもないのにっ……」

< 86 / 112 >

この作品をシェア

pagetop