君の声
「ご主人様の命令なので。…夕食、ちゃんと食べて下さいね」
ノブさんが…来てくれたんだ。
きっとタカが心配してくれてるんだ…
1週間経ち、私はやっと謹慎部屋から出してもらえた。
「今日からまた通学しなさい。ガードマンの竹田君はほとほと嫌気がさしたと退職した。次が決まるまでメイドの田中さんについていてもらう。卒業まであと少しだ。これ以上横道にそれることなく頑張りなさい」
ずっと小部屋でじっとしていたので、なんだかフラフラしていた。
喉も重たく感じ…
また声が出なくなるかもしれないと思った…。
「お嬢様、早く」
「あ…」
確かこの辺りでガードマンともみ合った…
「お嬢様、何してるんですか?」
「ペンダントがなくなって…、この前ここで落としたんじゃないかと…」
「私探しておきますから、早く行きましょう、遅刻します」
田中さんの言うことなど聞かず、私はペンダントを探していた。
「お嬢様!」
「…どうして私をそんなに縛り付けるの!?本当の娘でもないのにっ……」