君の声
「はっ、ばかばかしい。私たち大人がどれだけおまえに愛情をかけてやってると思うんだ?よくもそんな疑いを持てるな」
「だって、この人がお叱り中に言った…」
「言ってませんっ!そんなこと…!」
「言ってないと言ってるじゃないか。どうしておまえはそう、人のせいにしたがるんだ!」
「そんな…、私は!」
「言い訳などいらん!おまえは椎葉家の娘だ!」
「そうよ!本当の娘じゃないだなんて、この恩知らず!」
「お嬢様、ひどいですよ!」
私を取り囲んだ大人たちの怒号が飛び交った。
親は私の言葉より、お叱り組の言葉を信じた…。
「…あなた、この頃またおかしいわね。去年の末からすごく素直でいい子に戻ったのに…、まさかまたあの男が現れたんじゃないでしょうね!?」
「なんだと!?」
「違います!あの人は関係ありません!」
「いいえ、退職した竹田さんが、お嬢様の行動がおかしいと申しておりました。授業中に抜け出したこともあったようです」
「なんだって!?それであの男の所に行ってたというのか!?」
「違っ………っ」