君の声
「泣くんじゃないの!どうなの、ちゃんと答えなさい!」
「…やだ、……もうこんなのやだ!」
逃げたくて立ち上がったけど、周りを大人たちが囲っているので逃げられない…
「お嬢様、お座りなさい」
「まだお話は終わっておりませんよ!」
「………っ」
「はぁ…、あおいには立派な人間になってもらいたくて、こうして6人の教育者たちに厳しく躾ていただいてきた。なのにどうしておまえは…、反省というものをしたことがないのか?え?まったく、とんだ出来損ないを選んでしまったな」
「あなた…!」
父親がポロッと口走った。
「…選んだ?…やっぱり、私が思っていた通りなんですね?」
「あ…、いや……」
おかしかった。
なぜかおかしくてたまらなかった。
「ははは…、ははは…、はは…」
「…何この子!…気色悪い!」
―ピンポーン
「…もう!こんな時に誰よ!?どうせセールスかなんかでしょ、田中!行って断ってきなさい!」
「はいっ…!」
「ははは…、ははは…、ははは…」
笑いが止まらなかった。