君の声

「あ、いけない。夕食の買い物をしなきゃ。お嬢様がお目覚めになったらご連絡下さいね。よろしく」




それにちょっと…
って、何があるんだ?


不可解な言葉を残し、田中さんは帰っていった。





「サチ、ちょっと行ってくるな」


僕はお腹が空いたので売店へいった。

弁当を選んでいると、後ろから誰かに肩をたたかれた。



…杏香さん



「あの…、ごめん!なんか…、ノブに聞いたけど…」

「私今日退院します。もう大丈夫です!気にしないで下さい。…草野さんはどうしたんですか?」

「僕は…」

「おーい。…あれ?なんでタカがいるんだ?」

「ノブ!おまえこそどうしたんだよ?」

「俺は杏香を迎えに来たんだよ」

「杏香…!?」



ノブは入院中の杏香さんのところに毎日来て、献身的に励まし続けて、杏香さんは心うたれ、2人は付き合うことになったらしい…。



よかった…。
僕もほっとした。





「サチ、ノブと杏香さん来てくれたよ」

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