君の声

「タカ…」




気持ちを落ち着かせようと2人で外を眺めた。
…今夜は月が綺麗だ。





「…誕生日おめでとう。ちょっと遅くなったけど…」

「え…ああ、忘れてた。ありがとう。…でも本当の誕生日じゃないかもしれないし」

「本当だよ。…サチが生まれた時のことをよく知ってる人と話したことがあるんだ」

「…誰!?」

「え…えっと…」

「言えない人?」

「いや、…言わなくていいって言ってたけど…、サチを生んでくれたお母さん」

「…うそ、どうして、どこで会ったの!?どうしてわかったの!?」


おばちゃんに会った時のことをサチに説明した。



「そうだったんだ…。あの人が…。これも拾ってくれたんだよ、謹慎部屋でなくしたのに気付いて、1週間生きた心地がしなかった。そうなんだ、あの人が私の…」



―ガラガラガラ…

「あ、目が覚めましたか!」

「あ…すみません、知らせずに…」

「気分はどうですか?」

「大丈夫です…」

「そうですか、よかった。それではもう帰っていいですよ」

「え、こんな時間に…?」

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