君の声
「へ!?……あ、帰ってたのか、すまん、眠っておった…」
ね…、眠っていたのか!?
眠っていてもすごい威圧感だった…。
「で、あおい。体調はいいのか?」
「…はい」
「そうか、よかったな」
想像していたより穏やかだったので驚いた。
今まで怖い顔で怒鳴っている姿しか見ていなかったから…
こんな顔するんだ。
まるで本当の父親みたいに…
「あおいはこの家を出たいか?」
「え…」
「…今回のことで私たちも少し反省したんだ。教育だと言って、少し厳しくしすぎたのかもしれん。おまえの気持ちなんて考えたこともなかった。本当の親でない上に、これではもうおまえの親だと言う資格はないよ」
「…お父さん」
「もう…好きにしなさい」
父親は立ち、部屋を出た。
「私…、捨てられたのかな…?」
「…そんなことないよ!」
「だって、だっ…、私…どうしたらいいの……?」
サチは泣き出した。
「…お嬢様、お腹が空きませんか?お夜食がありますよ。草野さんもどうですか?」