SKETCH☆BOOK
プロローグ
親は泣いていた、声を上げて泣いていた。


俺は、この時まだ三歳だった。


何が起こっているのか全く分からなかった。


知らない人に抱きかかえられ、黒い車の中に乗せられた。


母は、”連れて行かないで!!その子はまだ三歳なのよ!!返してっ!!”


泣きながら、大声を上げて言っていた。


父は、”お願いです!!どうか!!せめて...十歳になるまで待ってくださいお願いします!!”


土下座をしながら、言っていた。


黒ずくめの男達は、そんな事は耳に入れず、車に乗って走り去っていった。


俺は、今でも忘れていない、親の泣き顔を....。
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