SKETCH☆BOOK
「ところで彼方クン。もう少しで入学式始まりますよ。大丈夫ですかそんなにのんびりして」

「なっ!!」

俺は急いでパジャマを脱いで壁に掛けてある制服を取りいそいそと着替え始めた。

「だらしないな...このレイス様の友のくせに起きるのが遅いとは」

(イラっ)

俺はレイスの胸ぐらを掴み床に激しくたたきつけた。

「か...彼方クン...それはやり過ぎだと思うんだけど」

「どこが...」

(うっ...う~ん、彼方クンに何を言っても無駄ですね)

その頃レイスは...。

「うぐっ...」

ピクピクと動いていた。

「行こう....。」

ブルーベリー色の髪の毛の男の子....ペルシアに機嫌が悪そうな声で言った。

「そうだね...あっ..ちょっと待って!!」

レイスをほったらかしにして行こうとする彼方を呼び止める。

すると...。

くるっとこちらに体を向けてギン!!っと睨みつけて二言だけ言い放った。

「何...」

ペルシアはじっと彼方を見つめ何かに確信を持ったらしくニコッと微笑んでから。
彼方のネクタイを結び直し始めた。

「.....」

その行動に普通の男子ならこんな美形が自分のネクタイを直してくれていることに不覚にもドキドキするものだが彼方にとってはごく普通のことなのだ。

「ダメだよ~ちゃんと結ばないと今日は大事な式なんだからね~(ニコ」

グチャグチャだったネクタイは綺麗に整えられた。

「ありがと...」

「どういたしまして。さぁ..式場に行こうか」

「行くぞ彼方!!ブルーベリー!!」

いつの間にか起きたレイスが威勢よく部屋を出て行った。
しかも禁句を言って。

「はは...あはははははっ!!レイスは相変わらず懲りないようだね(黒笑」

(怖い)

いつも冷静でクールな彼方でも怖いものは怖いのだ。

ペルシアの目は獲物を狙う狼のようになり物凄いスピードでレイスのあとを追いかけて行った。

「.....はぁ」


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