SKETCH☆BOOK
男sido

驚いた...入学式に行く途中で柱の下で胸を抑えて苦しんでいる奴がいた。

あまりの苦しさに涙を流しているみたいで正直あせった。

大丈夫かと聞いても答えないし意識ももうろうとしている様だ。

傍にいるリズに保健室までの道のりを案内するように言った。

情けないが俺はまだ学園内にどこに何があるのか覚えきれていない。

それに比べてリズはすぐになんでも覚えやがるから羨まし過ぎる!!

「わかった...案内する」

冷静に受け答えするさまも俺とは違う魅力がある。

俺は苦しそうにしているそいつを抱き上げていわゆるお姫様抱っこをした。

「すぐ保健室に連れて行くからな」

保健室までの道のりは案外短くてすぐについたが案の定先生は居なく俺は焦った。

「先生いないみだ...とにかくベットに横にならさせてやろう。」

「そうだな。」

ゆっくりとベットに降ろしてから掛け布団を掛けてやった。

「苦しそうだな...。」

ガサガサ...。

「何してるんだリズ?」

「俺の家に伝わる秘伝の薬だ...」

真っ黒い小さな丸い粒を見せてきた。

「それどうすんだ?」

「飲ませる...」

横たわっているそいつの口を開かせ得体のしれないものを飲まそうとしている。

「ちょっと待て!!大丈夫なのかどんな病気か知らないのに」

「病気じゃない....」

「はっ???」

こんなに苦しそうな顔をしてるのに病気じゃないだと!?

「リっ「魔力が暴走して彼の体にダメージを与えてる...この薬を飲めば暴走がとまって楽になる。解ったか?」

「......」

いつもそうだこいつは俺が解らないことをあたかも初めから解ってたみたいに何でもこなす。










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