まだ、君を愛してる.doc
「ご、ごめん。」
思った通りだ。母親は悪魔と化していた。が、不幸中の幸いとはこの事で、愛花と愛花の両親は、電車が遅れているとの事で、まだ来ていなかった。
「良かったぁ。」
「良かったじゃないよ。なんで、ちゃんと起きれないのかね、この子は・・・」
場所は新宿の高層ビルの中にあるレストラン。人通りは激しい。そこで大の大人が母親に怒られる姿となると、相当な注目を集める。背中に感じる視線。
「や、やめてくれよ。みんな、見てる。」
母親は都心に出てこない人だ。すべてを家の近所で済まし、周りにいるのは知り合いばかり。だから、みんなが見ているなんて、気づかなかったのだろう。僕が言って慌てて気づいたようだ。
「あら、やだ。」
やめたら、やめたで、なんでやめたのか気になるようだ。視線はなかなか外れない。
「なぁ、中に入って待ってようよ。」
この場所にいるのは、針のむしろにいるのと同義だ。母親も理解してくれ、先に店に入る事にした。
「しかし、着物なんかで来なくてもいいのに。」
通された座敷での、開口一番がこれだった。
「何言ってんの。礼儀正しい格好してこなくてどうするのさ。それが常識ってもんだろう?」
そう言いながら、母親は手みやげを僕に見せてくれた。
「何、これ?」
「最中だよ、最中。名物なの知ってるだろ?」
「そうだっけ?食った記憶ないんだけど。」
「やだよ、この子は。この間来た時に食べさせただろうに。」
「あぁ、あれ。あれ・・・愛花の家で甘いものって食うかな?」
思った通りだ。母親は悪魔と化していた。が、不幸中の幸いとはこの事で、愛花と愛花の両親は、電車が遅れているとの事で、まだ来ていなかった。
「良かったぁ。」
「良かったじゃないよ。なんで、ちゃんと起きれないのかね、この子は・・・」
場所は新宿の高層ビルの中にあるレストラン。人通りは激しい。そこで大の大人が母親に怒られる姿となると、相当な注目を集める。背中に感じる視線。
「や、やめてくれよ。みんな、見てる。」
母親は都心に出てこない人だ。すべてを家の近所で済まし、周りにいるのは知り合いばかり。だから、みんなが見ているなんて、気づかなかったのだろう。僕が言って慌てて気づいたようだ。
「あら、やだ。」
やめたら、やめたで、なんでやめたのか気になるようだ。視線はなかなか外れない。
「なぁ、中に入って待ってようよ。」
この場所にいるのは、針のむしろにいるのと同義だ。母親も理解してくれ、先に店に入る事にした。
「しかし、着物なんかで来なくてもいいのに。」
通された座敷での、開口一番がこれだった。
「何言ってんの。礼儀正しい格好してこなくてどうするのさ。それが常識ってもんだろう?」
そう言いながら、母親は手みやげを僕に見せてくれた。
「何、これ?」
「最中だよ、最中。名物なの知ってるだろ?」
「そうだっけ?食った記憶ないんだけど。」
「やだよ、この子は。この間来た時に食べさせただろうに。」
「あぁ、あれ。あれ・・・愛花の家で甘いものって食うかな?」