まだ、君を愛してる.doc
「ホント、ごめんなさい。恥ずかしいから。」
急に強くなる彼女の口調に、僕は驚くしかなく、それがそれ以上の追求を阻んだ。
「そ、そうか。まぁ、じゃ、いいかな・・・」
それからは会話がなくなった。一度気まずくなると、何を話してもダメな気がして、唇がはりつく位に口を真一文字にしていた。
「ここでいいですか?」
「あ、はい。ありがとうごさいました。」
礼を言い、僕は車を降りた。それから彼女の車が小さくなるまで見送った。何かを感じ、そうしないといけない気がしたからだ。
「行っちゃった・・・」
ある種の虚無感。それを覚えた。
ここからはつまらない日常に戻る。取引先の会社への訪問、それを淡々とこなすだけだ。
「あの角田部長をお願いします。」
受付にあった受話器で呼び出す。電話やメールでのやりとりは、これまで何十、何百としてきたが、実際に会うのは今日がはじめてだ。角田部長の風体を想像しながら、受付のソファに腰掛け待った。ただ、このソファ、かなりくたびれていて、座り心地がよろしくない。そのせいなのだろうか、角田部長の風体も、よろしくない感じになっていった。不機嫌そうな顔つき、脂ぎった髪、そんな感じになっていた。それだけに、受付の横にあるドアが開き出てきた角田部長が、あまりに僕の想像とかけ離れ、誰だか反応出来ずにいた。
「角田です。」
「あ、角田部長ですか?!」
なんとも気のよさそうなおじさんと言った感じだ。髪はやや脂ぎっているが、僕が想像したほどではない。
「遠くからお越しいただいて、ありがとうございます。さぁ、こちらへ。」
今は午後三時。商談が一時間かかったとして、終わるのは四時。今日の仕事はこれだけだ。早く終われば終わるほど、自由な時間は増えていく。近くにいい温泉もあるらしい。入浴だけなら千円くらいだ。これなら金欠の僕でもどうにかなる。そんな事を目論んでいただけに、この長丁場は想定外だった。
もう、八時を過ぎているのだ。
急に強くなる彼女の口調に、僕は驚くしかなく、それがそれ以上の追求を阻んだ。
「そ、そうか。まぁ、じゃ、いいかな・・・」
それからは会話がなくなった。一度気まずくなると、何を話してもダメな気がして、唇がはりつく位に口を真一文字にしていた。
「ここでいいですか?」
「あ、はい。ありがとうごさいました。」
礼を言い、僕は車を降りた。それから彼女の車が小さくなるまで見送った。何かを感じ、そうしないといけない気がしたからだ。
「行っちゃった・・・」
ある種の虚無感。それを覚えた。
ここからはつまらない日常に戻る。取引先の会社への訪問、それを淡々とこなすだけだ。
「あの角田部長をお願いします。」
受付にあった受話器で呼び出す。電話やメールでのやりとりは、これまで何十、何百としてきたが、実際に会うのは今日がはじめてだ。角田部長の風体を想像しながら、受付のソファに腰掛け待った。ただ、このソファ、かなりくたびれていて、座り心地がよろしくない。そのせいなのだろうか、角田部長の風体も、よろしくない感じになっていった。不機嫌そうな顔つき、脂ぎった髪、そんな感じになっていた。それだけに、受付の横にあるドアが開き出てきた角田部長が、あまりに僕の想像とかけ離れ、誰だか反応出来ずにいた。
「角田です。」
「あ、角田部長ですか?!」
なんとも気のよさそうなおじさんと言った感じだ。髪はやや脂ぎっているが、僕が想像したほどではない。
「遠くからお越しいただいて、ありがとうございます。さぁ、こちらへ。」
今は午後三時。商談が一時間かかったとして、終わるのは四時。今日の仕事はこれだけだ。早く終われば終わるほど、自由な時間は増えていく。近くにいい温泉もあるらしい。入浴だけなら千円くらいだ。これなら金欠の僕でもどうにかなる。そんな事を目論んでいただけに、この長丁場は想定外だった。
もう、八時を過ぎているのだ。