まだ、君を愛してる.doc
「うれしい?俺と一緒だったら、嫌なんじゃない?(^_^;)」
「そんな筈ないじゃないですか。課長は気がついてないかも知れないですけど、課長って女子社員の中では人気あるんですよ。」
「そ、そうなんだ・・・」
意外な言葉に照れ、それ以上何も言えない。
「そうなんです!だから、お揃いうれしいんですよ!」
会社にいる彼女も明るくかわいいが、それはチャットの文字にも現れている。そんな気がした。
「ありがとう。ところで急にfacebookに来てくれたけど、どうして?」
気になっていた事を聞いてみた。恥ずかしくて、お揃い話はこれ以上無理と思ったのもある。
「それですけど・・・」
言いづらそう、いや、この場合打ちづらそうと言うのだろう。急に勢いがなくなった。
「どうかした?」
「あの・・・怒らないでいてくれますか?」
「怒るような話?」
「うーん!私が話したって、久保さんには言わないで下さいね。」
久保の名前が出たところで、なんとなく察しがついた。久保と新島さんは、仕事上やりとりが多い。その時に聞いたのではなかろうか。愛花の事を。
「言わないよ。」
「じゃ・・・久保さんが教えてくれたんです。課長の奥さんが出て行ったって。」
思った通りだった。この間の会議での話が、新島さんに伝わったのだ。
「聞いたんだ・・・」
「ごめんなさい。でも、久保さん・・・」
そこから、また文字が止まった。
「ん?」
「・・・」
「大丈夫?」
「知ってるんです。」
唐突な言葉。会話が成立していない。
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