まだ、君を愛してる.doc
「いらっしゃいませ。お客様、何名様ですか。」
パートなのだろう。ファミレスの可愛らしい制服が、恐ろしいほど似合っていない主婦が言った。
「二人。」
柏は指二本を出し言うと、今度はさらに高い声でパートは聞いてきた。
「お煙草はお吸いになりますか?」
柏は煙草を吸うが、愛花は吸わない。それもただ吸わないのではなく、相当に苦手で、煙が流れて来ただけで、くしゃみが止まらなくなるのを知っている。
「禁煙で。」
「柏さん、いいんですか?」
「うん、一条さんは煙草苦手でしょ?」
自らそれを言った記憶はない。なんで知っているのか不思議でならなかった。
「それ、言いましたっけ?」
「いや、聞いてないけど、この間つらそうにしているの見たから。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
うれしかった。何気に自分を見ていてくれたのだ。うれしくてたまらなかった。
席についても、うれしくて舞い上がっている自分がいる。なんでここにいるのか、その目的すら忘れてしまっていて、ウェイトレスが来たのに、注文が決まっていないような有り様だった。
「あれ、さっき決まったって言ってたよね?」
「あ、そう言いました?」
「あ、うん。」
柏はウェイトレスに謝り、もう一度来てもらおうとした。が、愛花は慌てて、ウェイトレスを呼び止めた。
「あの同じのをもう一つ。」
「わかりました。日替わりセットの大盛りを二つでよろしいですね?」
まさか柏が大盛りを頼んでいたとは、考えもしなかった。しかし、不機嫌そうなウェイトレスを前に、その注文を覆すだけの勇気はなく、恥ずかしそうに頷いた。
パートなのだろう。ファミレスの可愛らしい制服が、恐ろしいほど似合っていない主婦が言った。
「二人。」
柏は指二本を出し言うと、今度はさらに高い声でパートは聞いてきた。
「お煙草はお吸いになりますか?」
柏は煙草を吸うが、愛花は吸わない。それもただ吸わないのではなく、相当に苦手で、煙が流れて来ただけで、くしゃみが止まらなくなるのを知っている。
「禁煙で。」
「柏さん、いいんですか?」
「うん、一条さんは煙草苦手でしょ?」
自らそれを言った記憶はない。なんで知っているのか不思議でならなかった。
「それ、言いましたっけ?」
「いや、聞いてないけど、この間つらそうにしているの見たから。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
うれしかった。何気に自分を見ていてくれたのだ。うれしくてたまらなかった。
席についても、うれしくて舞い上がっている自分がいる。なんでここにいるのか、その目的すら忘れてしまっていて、ウェイトレスが来たのに、注文が決まっていないような有り様だった。
「あれ、さっき決まったって言ってたよね?」
「あ、そう言いました?」
「あ、うん。」
柏はウェイトレスに謝り、もう一度来てもらおうとした。が、愛花は慌てて、ウェイトレスを呼び止めた。
「あの同じのをもう一つ。」
「わかりました。日替わりセットの大盛りを二つでよろしいですね?」
まさか柏が大盛りを頼んでいたとは、考えもしなかった。しかし、不機嫌そうなウェイトレスを前に、その注文を覆すだけの勇気はなく、恥ずかしそうに頷いた。