まだ、君を愛してる.doc
「か、課長?」
「何?」
「家事とか大変じゃないですか?」
「家事?わからないな。まだ、家事らしい事、何一つしてないから。」
僕はキッチンの流しを指差した。そこにあるのはコップばかり。それを水で濯いでは使い、濯いでは使いの繰り返し。随分前に買った食器棚の存在が、鬱陶しくてかなわない。
「そうですか・・・」
「じゃ、料理とかは?」
「料理?それもわからないなぁ。ずっと、食べてない。野菜ジュース飲めば、なんとかなる気がするし。」
おかしい。ここで手伝ってほしいなりの言葉がなければ、この次のステップに繋ぎづらい。
「そうですか・・・。じゃ、じゃあ、寂しくはないですか?」
「・・・そりゃ、寂しいさ。この写真がなければ、またやり直せたかもしれない。けど、けど、もう無理なんだ。」
普段ならこの言い回しに気づいての対応、それ相応の対応が出来た。けど、今は違った。新島さんの中では流れが来ているのだ。人と言うのは実に愚かしいもので、他人の恋愛に関しては、それこそ、どこぞの心理学者も驚くようなプロファイルをして見せたりするが、こと自分が当事者になるとおかしな方向へ、おかしな方向へと迷い込んでしまう。彼女もこの恋愛の迷宮に迷い込んだ一人になっていた。
「あ、あのですよ。」
勢いが空回りした感じの声のトーン。いったい何が起きたのか、あまりに突然な事に虚を突かれ、僕はソファーを座り直した。
「何?」
「家事とか大変じゃないですか?」
「家事?わからないな。まだ、家事らしい事、何一つしてないから。」
僕はキッチンの流しを指差した。そこにあるのはコップばかり。それを水で濯いでは使い、濯いでは使いの繰り返し。随分前に買った食器棚の存在が、鬱陶しくてかなわない。
「そうですか・・・」
「じゃ、料理とかは?」
「料理?それもわからないなぁ。ずっと、食べてない。野菜ジュース飲めば、なんとかなる気がするし。」
おかしい。ここで手伝ってほしいなりの言葉がなければ、この次のステップに繋ぎづらい。
「そうですか・・・。じゃ、じゃあ、寂しくはないですか?」
「・・・そりゃ、寂しいさ。この写真がなければ、またやり直せたかもしれない。けど、けど、もう無理なんだ。」
普段ならこの言い回しに気づいての対応、それ相応の対応が出来た。けど、今は違った。新島さんの中では流れが来ているのだ。人と言うのは実に愚かしいもので、他人の恋愛に関しては、それこそ、どこぞの心理学者も驚くようなプロファイルをして見せたりするが、こと自分が当事者になるとおかしな方向へ、おかしな方向へと迷い込んでしまう。彼女もこの恋愛の迷宮に迷い込んだ一人になっていた。
「あ、あのですよ。」
勢いが空回りした感じの声のトーン。いったい何が起きたのか、あまりに突然な事に虚を突かれ、僕はソファーを座り直した。