君というヒカリ。
冷たい風にあたり髪が乱される。
息を吐くと白い煙が出る。
「ココア、飲みたい。」
周りの音など聞こえず1人さっさと歩く女は、ふと1件のカフェの前で足を止めた。
その店はその女には似合わないこジャレたお店。
女はその店の方へと足を進めた。
「いらっしゃいませ!
お1人様ですね。お好きなお席へどうぞ。」
可愛い同い年くらいの女が案内する。
その子は見比べられないくらいに繊細でキレイな心をしていた。
1番窓際の奥の席につく。
メニューを顔見する女に1人の男の店員が水を持ってきた。
「いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりでしょうか?」
「じゃあ…、ココアで…。」
そう言って顔をあげた女。
その顔を見て男が……
「あっ…。」
一瞬驚いた顔をする男。
女はとぼけた顔をした。
「…何か。」
「あっ!いえ。
ココアですね。すぐお持ちします。」