さくらの山に友だちはきえて

なんどめかのはる

それから何年もたちました。

こぐまは大きな立派なツキノワグマになり、沢山のことをしりました。

クマが住める森や大事な食べ物が少なくなっているのは、ニンゲンのせいだということ。

ニンゲンはクマを、クマはニンゲンをころしてしまうこと。

あの女の子は、ニンゲンだったということ。

それでもクマは、今でもときどき林におりてみます。ニンゲンにも、仲間のクマにも見つからないよう、こっそり。

何度行っても女の子はいません。

ーーまた遊ぼうって言ったのに。ぼくとあの子は、もう友達じゃなくなったのかもしれない。


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