さくらの山に友だちはきえて
病院のベッドでお母さんは、小さいころに遊んだこぐまのことをリサにお話してくれました。

「りたもくまたんにあいたい!
おかあたん、おじいたんち行こうよ」

「でもお母さん、大きくなったくまさんがこわくて『キャー』っていっちゃったの。
くまさん『がおー』ってほえるんだもの。大きくなったくまさんは怖いわよ。
リサ、見たらきっと泣いちゃうわ」

「りた、泣かないよ。おかあたん、いっちょに行こうよ。
ねーえー。くまたんもおかあたんに会いたいんだよー」

「そうねえ。くまさんは本当は『がおー』じゃなくて『ぼくだよ』って言ったのかもしれないわ」

「病気なおったら行こうね。おやくとくちてくえう?」

「そうねぇ。行きたいな。うん、行きたい。お約束しよっか」

「やった」
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