恋愛模様・番外編-"あいみ"として-
「ああ、コタ?お前も変なのに好かれたなぁ」
笑いながら祐司が茶化してきた。
頭をくしゃくしゃってされるのは別に嫌じゃないけど、今日は智恵さんが綺麗にしてくれたから、祐司の手を払いのけた。
「変なのって?あの人のこと知ってるの?」
「うん……腐れ縁?かな」
私に払いのけられた手をズボンのポケットに入れ、ちょっと考えるようにして言った。
「……小学校の少年バスケの試合で初めて会って仲良くなって、
中学でもやっぱりお互いがバスケ部で、試合とかでたまに会って、
……そして同じ高校に入ったってわけ」
「ふぅん……」
結構長い付き合いなんだ、と思ったけど
そういえば、今まで祐司の口からコタの名前を一度も聞いたことがなかった。
少し気になったけど、聞くのはやめといた。
「……アレ、どーするよ?」
祐司が指差す方を見てみると、女の子が数人群がっていた。
その輪の中心には、人気の先輩2人とコタの姿。
女の子に騒がれながらも、なぜ私を誘った……?