恋愛模様・番外編-"あいみ"として-
「愛美!」
離れたところから見ていると、気づいたコタが私の名前を呼んだ。
一気に突き刺さる女の子たちの視線と、
「誰、こいつ?」
みたいなオーラ。
お、穏やかじゃない……。
でも、コタはそんなことお構い無しに手招きして、体育館の中を指差した。
女の子たちが怖いから、別の入り口からそっと中を覗いてみると、
「見てて」
って小さく言って、コタは綺麗なフォームでロングシュートを決めた。
手から離れたボールが綺麗な弧を描いて、ポスッとゴールに吸い込まれるかのように入っていった。
「あいつはあれが得意なんだよ」
少し意味あり気に、横で祐司が呟いた。