日常的幸福論~もうひとつの話~
ホットミルクを片手に持ってリビングへ戻るとレオがコントローラーを手に握りながらうとうととうたた寝をしていた。



長いフライトやゲームではしゃいだせいか、疲れが出てきたようだ。


「レオ、寝ちゃってるの?」


「疲れてるんだろうな」


「あたし、布団敷いてくるね」


沙依がレオの寝具を準備しに客間へ行こうとしたとき、


「ママ……」


いくら知り合いがいるとはいえ10歳で他国に来るなんて、不安だよな。


レオの小さな手をそっと、包むように握る。


「沙依。レオ、俺たちと一緒に寝かせよう」


キングサイズのベッドだ。レオ一人増えたとこで全く問題ないだろう。


俺の提案に沙依は優しく微笑んで頷いた。


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