日常的幸福論~もうひとつの話~
玄関の扉を開けると男性、基、飛鳥のお父さんはあたしの顔を見るなり目を見開いて驚いていた。
そりゃあそうだ。偶然出会ってあんなに縁だなんだと話していた娘が自分が勘当した息子の嫁だなんて、誰が想像するだろうか。
「…どうぞ」
リビングのソファーに座るお父さんにそっとお茶を出してあたしは飛鳥の方をチラリと見た。
飛鳥の普段の顔、お芝居の顔、両方を見慣れてるけれど、今の飛鳥の表情からは何を考えてるのかわからない。
「…何しに来た訳?」
飛鳥が一言そう言葉を落とす。その言葉は普段あたしに向けられないような、感情が籠っていない声だった。
「……謝りたくて。まだ若かったおまえの夢を理解してやれなくて、手離して、後悔してる」
「今更?で、それだけ?俺忙しいから、それ飲んだらさっさと帰って」
飛鳥はお父さんの方を見向きもしないでリビングを出て行きまた自室に入っていった。
「ちょっと!飛鳥!」
「いいんですよ、お嬢さん。あっ…沙依さん。あの子は昔から頑固だから」
せっかく会えたのに、勇気を出して飛鳥のところに来たのに…。
そりゃあそうだ。偶然出会ってあんなに縁だなんだと話していた娘が自分が勘当した息子の嫁だなんて、誰が想像するだろうか。
「…どうぞ」
リビングのソファーに座るお父さんにそっとお茶を出してあたしは飛鳥の方をチラリと見た。
飛鳥の普段の顔、お芝居の顔、両方を見慣れてるけれど、今の飛鳥の表情からは何を考えてるのかわからない。
「…何しに来た訳?」
飛鳥が一言そう言葉を落とす。その言葉は普段あたしに向けられないような、感情が籠っていない声だった。
「……謝りたくて。まだ若かったおまえの夢を理解してやれなくて、手離して、後悔してる」
「今更?で、それだけ?俺忙しいから、それ飲んだらさっさと帰って」
飛鳥はお父さんの方を見向きもしないでリビングを出て行きまた自室に入っていった。
「ちょっと!飛鳥!」
「いいんですよ、お嬢さん。あっ…沙依さん。あの子は昔から頑固だから」
せっかく会えたのに、勇気を出して飛鳥のところに来たのに…。