日常的幸福論~もうひとつの話~
「お母さん!さっきの電話って!」


「あぁ、飛鳥よ。玄関の鍵、事務所に預けておくから明日取りにくるようにって」


ん?玄関の鍵?


「………それだけ?」


「それだけよ」


「他に何か言ってなかった!?」


「えぇ」


あ〜す〜か〜!!!


もういい!飛鳥なんて、飛鳥なんて、


それでも嫌いになんてなれないから、飛鳥ってズルいんだ。


翌朝、目が覚めて天井を見上げると、あぁいつもの家じゃなくて寂しくなる。


両親はもう仕事に行っていて、作られた朝食を食べる。


不思議、飛鳥と喧嘩して気分は滅入ってるのにお母さんの作るごはんはパクパクと食べられる。


……ごはんを食べながらあたしはふと考えた。


飛鳥のためにできること、お父さんのためにできること、


あたしにだってあるはずだ!!!
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