日常的幸福論~もうひとつの話~
あたしがそう言うと一瞬驚いた顔をしたけれど彼女は眉間に皺を寄せた。
「あなた……飛鳥さんの奥さんで飛鳥さんの全てを知ってるのに、飛鳥さんが完璧じゃないっていうの!?」
「うん、飛鳥は完璧なんかじゃない」
河村愛理は負けじあたしを睨み付けている。
「飛鳥は……寝起き最悪だし、朝ごはんにお味噌汁がないとすぐに拗ねるし、役に集中するとあたしの存在すら忘れるし…」
わたしが指折数えて飛鳥のダメダメなところをあげていく。
それから……。
「それから、負けず嫌いで努力家で……」
去年、大きな賞を取れなかったとき、悔しくってあたしの腕の中で子どものように泣いた。
「あたしも飛鳥のことを完璧だと思ってた。でも、演技以外に関しては普通の男の人」
あたしはゆっくりと飛鳥の手を握った。
「あなた……飛鳥さんの奥さんで飛鳥さんの全てを知ってるのに、飛鳥さんが完璧じゃないっていうの!?」
「うん、飛鳥は完璧なんかじゃない」
河村愛理は負けじあたしを睨み付けている。
「飛鳥は……寝起き最悪だし、朝ごはんにお味噌汁がないとすぐに拗ねるし、役に集中するとあたしの存在すら忘れるし…」
わたしが指折数えて飛鳥のダメダメなところをあげていく。
それから……。
「それから、負けず嫌いで努力家で……」
去年、大きな賞を取れなかったとき、悔しくってあたしの腕の中で子どものように泣いた。
「あたしも飛鳥のことを完璧だと思ってた。でも、演技以外に関しては普通の男の人」
あたしはゆっくりと飛鳥の手を握った。