日常的幸福論~もうひとつの話~





「旨いっ!!!沙依ちゃん、おかわり」




ルイは生姜ご飯が気に入ったのか口元にご飯粒をたくさん付けて3杯目のおかわりをしてきた。



イメージが粉々になったあたしはもうこの人をシンガーソングライター、ルイだとら思わずに飛鳥の親友、ルイだと思うことにした。




鍋の中の肉じゃがもルイの胃袋へ詰め込まれいく。たくさん作ったからいいけど……。



飛鳥の分がなくならないかと少し心配になった。



「こんな旨いご飯食べれるなんて、飛鳥は幸せ者だね!!!」



「そんな……。どっちかと言うと飛鳥の方が料理上手ですよ」



飛鳥は「作るのめんどくせぇ」と滅多に作ってくれないけど。




「もう本当に旨い。久々に家庭の味、あっ、おかえり飛鳥」




「てめぇ、なんでいるんだよ?」



声の方を振り向くと飛鳥がリビングの入り口に立ち止まっている。



「飛鳥、おかえりなさい」




そう声をかけると飛鳥は怒った顔をしてあたしにジャケットを渡してきた。


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