日常的幸福論~もうひとつの話~






「すっげぇ。飛鳥のやつ、そんなこと沙依ちゃんに言ったの?プロポーズでしょ?」



ルイは苦笑いしながらコーヒにガムシロップをいれていた。



「飛鳥、俺様ですからね。今となっては良い思い出ですよ?」




「テレビでは王子様キャラなのにねぇ。詐欺だよ、詐欺!!」




「そうそう。初めて飛鳥の家に言ったときも驚きましたよ?」




「飛鳥の家って、今住んでる家だよね?」




そう、飛鳥とのお見合い3日後。



大学内のカフェエリアで杏とお茶をしていたときだった。



鞄の中に入れてあった携帯がメールの着信音を告げた。



【今から家に来い。場所は東京都………】




へっ!?なにこれ?


住所が乗っていてあったその後ろの文字は、



飛鳥、の文字。



……飛鳥!?



びっくりして、コーヒが気管支に入ってむせてしまった。





< 64 / 124 >

この作品をシェア

pagetop