日常的幸福論~もうひとつの話~
「すっげぇ。飛鳥のやつ、そんなこと沙依ちゃんに言ったの?プロポーズでしょ?」
ルイは苦笑いしながらコーヒにガムシロップをいれていた。
「飛鳥、俺様ですからね。今となっては良い思い出ですよ?」
「テレビでは王子様キャラなのにねぇ。詐欺だよ、詐欺!!」
「そうそう。初めて飛鳥の家に言ったときも驚きましたよ?」
「飛鳥の家って、今住んでる家だよね?」
そう、飛鳥とのお見合い3日後。
大学内のカフェエリアで杏とお茶をしていたときだった。
鞄の中に入れてあった携帯がメールの着信音を告げた。
【今から家に来い。場所は東京都………】
へっ!?なにこれ?
住所が乗っていてあったその後ろの文字は、
飛鳥、の文字。
……飛鳥!?
びっくりして、コーヒが気管支に入ってむせてしまった。