日常的幸福論~もうひとつの話~
ちょっと強引だったけど、それからだっけ。
飛鳥さんと呼んでいた名前を飛鳥と言うようになったり、飛鳥に遠慮なく物を言えるようになったのは。
懐かしいな、と思って笑みが込み上げる。
「……どう?」
「ん?普通に旨い」
普通、という言葉が気になるけど一緒に食事が取れるときは飛鳥は残さず全部食べてくれる。
いきなりの同居生活は戸惑いや驚きの連続だったけど、そすっかり気が抜けてしまったある日、
ドラマの撮影で泊まりこみだった飛鳥が家にいない夜のことだった。
事件が起きた。