日常的幸福論~もうひとつの話~






「こんばんはぁ」



声が聞こえた方に振り向くとニヤニヤ笑っている男が一人いた。



「なにしてんの?こんな時間に女の子が一人でいるなんて危ないよ?」



そう言ってる男が一番危なく感じた。



「もう、帰るとこなんで……」



「えぇ!?遊ぼうよ!!ってか俺、家まで送るよ!?」



「いえ、大丈夫です」



早くこの場から立ち去ろうとするけど、怖くて足が動かない。




「ねっ、いいじゃん」



ついに男があたしの肩を抱き、細い裏路地に連れ込もうとする。




いやなのに、叫び声が出ない。



助けて、



助けてよ。



いやだよ、こんな男に触れられたくない。



気持ち悪い。



飛鳥助けてっ!!!!
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