日常的幸福論~もうひとつの話~
「おい、なにしてんだよ」
「痛たたたたたっ!!!」
突然、もう一人の低い男の声が聞こえた。
その瞬間、あたしの肩を抱いていた力が急になくなった。
男は腕を痛め付けられたのか道端に蹲っている。
あたしはもう一人の男の腕に抱かれた。
男は深く帽子をかぶっていて、暗がりだから顔がわからないけど間違いない。
飛鳥だ。
「今後一切、こいつに近づくな」
声は飛鳥にしては低い声だけど、
飛鳥の香水の匂いがする。
男を置いて、あたしは飛鳥に連れられながら自宅に帰宅した。