日常的幸福論~もうひとつの話~
美味しいご飯作ってあげたいって思うのも、
飛鳥の服を洗濯してるときの嬉しい気持ちも、
飛鳥がソファーでうたた寝してるときの寝顔が可愛く見えるのも、
ドラマで可愛い女優さんにキスしてるのを見て感じた胸の痛みも、
全部、全部、
飛鳥が好きだからだ。
「それで?沙依ちゃんが告白して飛鳥は何て言ったの!?」
「ん~……、忘れちゃった!!!」
「えぇ、そりゃあないよ!!それをネタに飛鳥をからかおうと思ったのに」
「飛鳥をからかうネタじゃなくて、馴れ初めの話が聞きたかったんじゃないの?」
「そうだった。うん、なんとなくイメージができたよ。ありがとう、沙依ちゃん」
「じゃあそろそろ帰ります」
「うん。曲出来たら真っ先に届けるから」
ひらひらと手を振るルイを背にあたしは事務所をあとにした。