日常的幸福論~もうひとつの話~
飛鳥に連れてこられた場所は少し埃が舞っていて、段ボールや大道具が積まれていた。


多分、倉庫だと思う。


「………なんで来たわけ?」


怒っている飛鳥には悪いけれど、久々に間近で見るその綺麗な顔にドクンと心臓が跳ねる。


「おっ…怒って…る?」


「なんで来たかって聞いている」


理由はわからないけど飛鳥が怒ってるのは間違いないみたい。


「ゆっ、悠一に来ないかって言われて……」


悠一の名前を出した瞬間、噛みつかれるような深いキスをされた。


何度も何度も角度を変えて、飛鳥の舌から逃げようとするたびにまた深く飛鳥は求めてくる。


「はっ……あんまり…他の男と一緒にいるなよ…」


「飛鳥……?」


「悠一さんにまで妬きたくねぇよ……」


「妬き……って、えっ?飛鳥、妬いてるの?」


あたしの質問を肯定するかのように飛鳥は顔を赤くして、細く綺麗な指で顔を覆った。


うわっ、これは貴重だ。
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