日常的幸福論~もうひとつの話~
「そんな大袈裟な。飛鳥の後輩だしマキちゃんはそんな子じゃないよ」
「あっまい!!あんた、飛鳥さんがどれだけ魅力的かわかってるん!?結婚してても近付きたいって思うてる女なんてたくさんおるんやで!?」
それ自分のことじゃん!!って言ってやりたかったけど、そんなことを言ったらお煎餅が飛んできそうな勢いだから心の中で留めた。
「あぁいう美人な女に飛鳥さんみたいな男は弱いんよ。間違いがないように目ぇ光らせとくんやな」
確かに飛鳥と結婚する前に噂になっていた女子アナの和泉まどかもマキちゃんと同じ系統の清楚美人。
「あの女はこの3日間で飛鳥さんをモノにしようと動くやろな。まぁ、あんたには勝ち目はないやろうけど、せいぜい頑張り?」
ニヤりと笑い愛理ちゃんはソファーから立ち上がったあたしを見た。
「愛理ちゃん、一体何しに来たの?」
バカにしに来たのかと思えば忠告をしたり、励ましたり。
「……あんたのためじゃないってことだけは言うておくわ」
「はっ?」
「じゃあな」
謎の言葉を残して愛理ちゃんは帰っていった。
お煎餅を全部平らげて。