ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
春の日差しが漲る今日この頃、薄着で外出しても大丈夫と高を括っていた。
鈍色の空の下、それを今、私は後悔している。
夕方から夜になろうとしている時刻、外は肌寒い。
本当は昼間も寒さを感じるくらい冬がまだ抜けきってないんだろうけれど、春休みボケでどうかしていた。
しばらく、外に出ないとへまをする。
私は寒さに凍えながら駅前の交差点で信号待ちをしていた。
両腕を交差させて肩の下を擦っている。
これは気休めで少しもポカポカしてこない。
足踏みして寒さを誤魔化そうとしても、ほとんど意味がない。
行きもこれで帰りもこれかと想像したら電車ではなく帰りはタクシーで帰りたかった。
ほどなくして信号が赤から青に変わり、数人の歩行者と共に横断歩道を渡る。
あとちょっとの辛抱だと自分に言い聞かせて、小走りで前を歩く人々を追い抜いていく。
カタ、カタ、カタと私のミュールが音を鳴らす。
少し息を弾ませ、まっすぐ進んで大きなパチンコ屋、雑居ビル、服屋、ファーストフード店などの前を通って角を曲がった。
曲がると暗い道が続く。
私は立ち止まって深呼吸した。
そうして、また小走りで目的地まで向かう。
気味が悪くて自然とペースアップした私はいつのまにか全速力で駆けていた。
目印である美容院がある角を曲がって、さらに角を曲がると狭い通路に入る。
一番最初に目に付くのは白く光る看板だ。
鈍色の空の下、それを今、私は後悔している。
夕方から夜になろうとしている時刻、外は肌寒い。
本当は昼間も寒さを感じるくらい冬がまだ抜けきってないんだろうけれど、春休みボケでどうかしていた。
しばらく、外に出ないとへまをする。
私は寒さに凍えながら駅前の交差点で信号待ちをしていた。
両腕を交差させて肩の下を擦っている。
これは気休めで少しもポカポカしてこない。
足踏みして寒さを誤魔化そうとしても、ほとんど意味がない。
行きもこれで帰りもこれかと想像したら電車ではなく帰りはタクシーで帰りたかった。
ほどなくして信号が赤から青に変わり、数人の歩行者と共に横断歩道を渡る。
あとちょっとの辛抱だと自分に言い聞かせて、小走りで前を歩く人々を追い抜いていく。
カタ、カタ、カタと私のミュールが音を鳴らす。
少し息を弾ませ、まっすぐ進んで大きなパチンコ屋、雑居ビル、服屋、ファーストフード店などの前を通って角を曲がった。
曲がると暗い道が続く。
私は立ち止まって深呼吸した。
そうして、また小走りで目的地まで向かう。
気味が悪くて自然とペースアップした私はいつのまにか全速力で駆けていた。
目印である美容院がある角を曲がって、さらに角を曲がると狭い通路に入る。
一番最初に目に付くのは白く光る看板だ。