ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
「IHクッキングヒーターをオフにした音」


「料理してたの?」


「うん。もうじき葵が帰ってくるから」


「もう、すっかり奥さんだね」


最近は、料理を作って奥さんのように葵の帰りを待っていた。


そして、週に何度かお泊りするようになっていた。


これには、もちろん親がいい顔をしない。


親は私の顔を見ると、苦言を呈する。


でも、不倫している人たちにあれこれ言われたくない。


親よりも葵が大事だから不良少女になってやる。


葵の家でこんな暮らしを送るようになって専業主婦になりたいと強く思うようになった。


お嫁さんに憧れる。


半分高校生で半分専業主婦も悪くない。


でも、高校を卒業したら即結婚して幸せになりたい。


赤ちゃんを作って子育てして末永く幸せに暮らす。


そんな夢を抱くようになっていた。


カッコイイ葵の子供がほしい。


どんな可愛い子が誕生するだろう?


そんな想像ばかりしていた。





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