ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
「予言だよ」


「予言?」


「そっ。黒崎加瑠羅の大予言」


「また、訳わかんないこと言って……もう……お前には……疲れたよ……」


「私についていけなくなったからかい? 別れたのは」


「そうだよ。もう、帰ってくれ。お前といると寿命が縮まる」


「どうでもいいけど、すごい慌てっぷりだね。あんた、取り乱してる。それで、あんたがこのお嬢ちゃんに隠し事してるのがわかったよ。私にはバレバレだよ」


加瑠羅はこの状況を面白がっている。


葵は、いつもと様子が違う。


加瑠羅の前では少年のように見えた。


「もう、何も話すな!」


葵が本気で怒った。


加瑠羅は腕を掴まれて葵に引っ張られて寝室を出ていった。


すごい剣幕の葵が恐くて私はベッドの上で竦んだ。


目の前の現実が信じられない。


いつも悠々としている葵が荒々しい一面を見せた。


こんなことってあるんだ。


加瑠羅が帰って葵が疲れ果てた顔で寝室に戻ってきた。


葵はパンツ一枚で立ち尽くした。


「押しかけてくるなんて予想外だったよ」






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