ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
好きで好きで別れることはできない。


このベッドで何度、葵と愛し合ったことだろう。


何度もお互いの身体をむさぼりあった。


身体が記憶していて、それを忘れたくても忘れられない。


私の心も身体も葵を求めていて葵なしでは生きていけない。


こんなに誰かを死ぬほど好きになったことがあっただろうか?


いや、今までこんなに情熱的に人を愛したことはなかった。


葵が初めてだ。


葵のためなら死ねる。


それくらい葵が好きだ。


葵のことを考えただけで胸が熱くなり全身がだんだん火照ってきた。


いくら裏切られてもやっぱり好きだ。


諦められない。


葵をこのマンションで待とう。


ふと、膝が冷たいことに気付いた。


涙で膝が濡れている。


こんなに泣いたのか。


電気をつけて、ジーンズを脱いでお風呂の用意をした。


浴室へ行き髪と身体を洗う。


湯船に浸かって温まってリラックスする。






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