ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
「昔、スポーツやってたんだ。何だと思う?」
そういえば、花音が言ってたっけ?
遠藤さんは何かスポーツしてたんだった。
「何だろう? わかりません」
「テニスだよ」
「カッコイイ……」
私の声に、ため息が混じる。
ただでさえカッコイイのにテニスをしていたら、さらにもっとカッコよくてモテただろう。
「中学、高校とね。大学では部活ではなく楽なサークルに入ってたんだ」
「遠藤さん、大学はW大学だったんですよね。花音から聞きました。私、狙ってるんです。後輩になるかもしれません」
「そうなんだ。でも、どうして?」
「特に理由ないんです。小説家とか数多く輩出してて有名だからかなあ?」
遠藤さんが話を聞いているそばで、ウェイターが横に立って飲み物のワインをグラスに注いでいる。
それを取ると、遠藤さんは素早くグラスに口をつけた。
目を瞑りながら飲んでいる。
うっとりして見ていると、ふいに目を開けて私を見た。
目が合った瞬間、気持ちを知られたのではないかと思って目を逸らした。
うろたえていると、遠藤さんは落ち着き払った様子でこんな風に語りかけてくれた。
「まあ、有名だからね。僕も有名だから受験したんだよ。入れたらモテると思ったし」
そして、笑いを含んだ顔で遠藤さんはワイングラスを軽く揺らした。
そういえば、花音が言ってたっけ?
遠藤さんは何かスポーツしてたんだった。
「何だろう? わかりません」
「テニスだよ」
「カッコイイ……」
私の声に、ため息が混じる。
ただでさえカッコイイのにテニスをしていたら、さらにもっとカッコよくてモテただろう。
「中学、高校とね。大学では部活ではなく楽なサークルに入ってたんだ」
「遠藤さん、大学はW大学だったんですよね。花音から聞きました。私、狙ってるんです。後輩になるかもしれません」
「そうなんだ。でも、どうして?」
「特に理由ないんです。小説家とか数多く輩出してて有名だからかなあ?」
遠藤さんが話を聞いているそばで、ウェイターが横に立って飲み物のワインをグラスに注いでいる。
それを取ると、遠藤さんは素早くグラスに口をつけた。
目を瞑りながら飲んでいる。
うっとりして見ていると、ふいに目を開けて私を見た。
目が合った瞬間、気持ちを知られたのではないかと思って目を逸らした。
うろたえていると、遠藤さんは落ち着き払った様子でこんな風に語りかけてくれた。
「まあ、有名だからね。僕も有名だから受験したんだよ。入れたらモテると思ったし」
そして、笑いを含んだ顔で遠藤さんはワイングラスを軽く揺らした。