ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
「『モテると思った』だなんて十分モテてたんでしょ? 彼女がいない時期がなかったんじゃないかってくらい。店長から聞きました」
私が意気込んで主張する。
「僕の周りにいたのは彼女じゃなくて友達だよ。たしかに女友達は多かった。本当、友達だよ。もう、昔話はこの辺にして本題に入ろう。君の彼氏のこと話してよ」
うまく遠藤さんは話を切り上げて話題を変えた。
すると、ウェイターがデザートを運んできた。
皿に載ったピンク色のデザートは白桃のジュレと桃を使った二色のソルベだった。
ひと口、ひと口、スプーンを使って味わって食べる。
甘い桃の香りがする。
「優の話をするのは、正直、気が重いです」
声を落として俯いた私はスプーンの先を見つめた。
一点を見つめたまま、顔を上げられない。
せっかくのデザートも優のことを考えたら憂鬱になって美味しく味わえない。
まずいとさえ思えてくる。
「最近、うまくいってないんです。高校のクラスメイトだったんですけど2年になってクラス離れてからしっくりいかなくなって会いたくなくなってきて避けてるんです」
私は声を潜めて話を続けた。
「もう、限界かも。別れたいんです。というか、あんなケンカして絶対やり直せない。やり直す自信がない。どうしたらいいですか?」
深刻な悩みを打ち明け終わると、遠藤さんは小首を傾げて黙りこくった。
そのうちに、私は皿のデザートをキレイに平らげた。
ナプキンで口を拭っていると、黙っていた遠藤さんがようやく口を開いた。
「もしかして君は他に好きな人がいるんじゃない?」
私が意気込んで主張する。
「僕の周りにいたのは彼女じゃなくて友達だよ。たしかに女友達は多かった。本当、友達だよ。もう、昔話はこの辺にして本題に入ろう。君の彼氏のこと話してよ」
うまく遠藤さんは話を切り上げて話題を変えた。
すると、ウェイターがデザートを運んできた。
皿に載ったピンク色のデザートは白桃のジュレと桃を使った二色のソルベだった。
ひと口、ひと口、スプーンを使って味わって食べる。
甘い桃の香りがする。
「優の話をするのは、正直、気が重いです」
声を落として俯いた私はスプーンの先を見つめた。
一点を見つめたまま、顔を上げられない。
せっかくのデザートも優のことを考えたら憂鬱になって美味しく味わえない。
まずいとさえ思えてくる。
「最近、うまくいってないんです。高校のクラスメイトだったんですけど2年になってクラス離れてからしっくりいかなくなって会いたくなくなってきて避けてるんです」
私は声を潜めて話を続けた。
「もう、限界かも。別れたいんです。というか、あんなケンカして絶対やり直せない。やり直す自信がない。どうしたらいいですか?」
深刻な悩みを打ち明け終わると、遠藤さんは小首を傾げて黙りこくった。
そのうちに、私は皿のデザートをキレイに平らげた。
ナプキンで口を拭っていると、黙っていた遠藤さんがようやく口を開いた。
「もしかして君は他に好きな人がいるんじゃない?」