ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
その上、ディープキスもうまくない。


ガツンと歯が当たる。


ガツン、ガツンと何度も歯が当たるうちに気分が乗らなくなりやめてしまう。


器用でないというか、まだ慣れてないんだろう。


私もリードできるほど経験者じゃない。


経験人数はまだ二人だから少ない方だ。


しかも、同級生としか付き合ったことがない。


他の男性は一体どんな感じなんだろう?


他の男性に抱かれてみたい。


そんな浮気願望が芽生えつつあった。


誰と交わっても同じことなんだろうか?


ひょっとすると、何も感じないから私はおかしいんじゃないだろうか?


セックスは、人間に快楽を与えるものだと思っていた。


でも、違う。


想像に反して私はエクスタシーを感じない。


何が良いのかわからない。


世の中には性的に私を満足させてくれる男性はいないんじゃないだろうか?


そんな不安が心をよぎった。


「ブラジャー、壁に挟まってるよ」


優の声に振り返ると、立ち上がった優が指を差して教えてくれたので、よく見てみると本当にブラは壁とベッドの間に挟まっていて落ちそうになっていた。
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