ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
「さっきの話の続きだけど」
遠藤さんが横目でちらりと私を見て口を切った。
「さっきの話って?」
「ほら、彼氏と別れたいって言ってた話だよ」
「あれですか」
私は運転する遠藤さんの横顔を見つめていたけれど視線を再び前方に向けた。
遠くにある信号機の色が赤から青に変わって停車していた車が動き出す。
走り始めた車の列を見やる。
「君は他に好きな人ができたから別れたいんじゃないのかな?」
静かに遠藤さんの声が車内に響く。
ゆっくりした口調で遠藤さんはさらに言葉を紡いだ。
「君が彼氏を避けるのは、彼氏を嫌いになったわけじゃなくて君が誰かを想ってるからじゃないの? この前、彼氏と言い争ってるの少し聞いてしまったんだ。それで、心変わりでもしたんじゃないのかなって思ってね」
その通りだ。
否定できない。
私は優から遠藤さんに心変わりして優を避けるようになった。
前からうまくいってなかったけれど、避けることはしなかった。
避けるようになって関係が気まずくなったら、もう、おしまいだ。
別れるしかない。
キッパリ優とは別れよう。
「そうです。他に好きな人います。できちゃったんです」
遠藤さんが横目でちらりと私を見て口を切った。
「さっきの話って?」
「ほら、彼氏と別れたいって言ってた話だよ」
「あれですか」
私は運転する遠藤さんの横顔を見つめていたけれど視線を再び前方に向けた。
遠くにある信号機の色が赤から青に変わって停車していた車が動き出す。
走り始めた車の列を見やる。
「君は他に好きな人ができたから別れたいんじゃないのかな?」
静かに遠藤さんの声が車内に響く。
ゆっくりした口調で遠藤さんはさらに言葉を紡いだ。
「君が彼氏を避けるのは、彼氏を嫌いになったわけじゃなくて君が誰かを想ってるからじゃないの? この前、彼氏と言い争ってるの少し聞いてしまったんだ。それで、心変わりでもしたんじゃないのかなって思ってね」
その通りだ。
否定できない。
私は優から遠藤さんに心変わりして優を避けるようになった。
前からうまくいってなかったけれど、避けることはしなかった。
避けるようになって関係が気まずくなったら、もう、おしまいだ。
別れるしかない。
キッパリ優とは別れよう。
「そうです。他に好きな人います。できちゃったんです」