ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
聞いたら教えてくれるだろうか?
ダメもとで聞いてみようか?
「あの、メアドとか携帯番号って聞いたらいけませんか?」
私が遠藤さんの横顔を見つめて聞くと、遠藤さんは片方の手の拳を口元にあてて「ふっ」と吹くように笑った。
何がおかしいんだろう?
「いけないことないよ」
含み笑いで遠藤さんは言葉を返す。
「何が面白くて笑ってるんですか?」
不思議に思って私はまた質問した。
「君の聞き方が面白いんだよ。『聞いたらいけませんか?』っていうの。可愛い」
遠藤さんはそう答えると、口を大きく開けて笑った。
「もう。バカにしないでください。笑わないで」
そう言って、私は頬をぷぅっと膨らませた。
それから、バッグの中に入れた携帯を再び取り出そうとした。
その拍子に中に入っていたピンクの口紅がポロッと外に出た。
口紅は、バッグから抜け落ちると私の足元に転がった。
車内は暗い。
手探りで口紅を探す。
「探し物?」と遠藤さんに聞かれて「口紅落としちゃって」と返事しながら私は顔を遠藤さんのいる方とは反対側の窓に向けて屈んだ姿勢の状態で片手を動かした。
手が何かに触れて何かを掴んだので、これは口紅に間違いないだろう。
ダメもとで聞いてみようか?
「あの、メアドとか携帯番号って聞いたらいけませんか?」
私が遠藤さんの横顔を見つめて聞くと、遠藤さんは片方の手の拳を口元にあてて「ふっ」と吹くように笑った。
何がおかしいんだろう?
「いけないことないよ」
含み笑いで遠藤さんは言葉を返す。
「何が面白くて笑ってるんですか?」
不思議に思って私はまた質問した。
「君の聞き方が面白いんだよ。『聞いたらいけませんか?』っていうの。可愛い」
遠藤さんはそう答えると、口を大きく開けて笑った。
「もう。バカにしないでください。笑わないで」
そう言って、私は頬をぷぅっと膨らませた。
それから、バッグの中に入れた携帯を再び取り出そうとした。
その拍子に中に入っていたピンクの口紅がポロッと外に出た。
口紅は、バッグから抜け落ちると私の足元に転がった。
車内は暗い。
手探りで口紅を探す。
「探し物?」と遠藤さんに聞かれて「口紅落としちゃって」と返事しながら私は顔を遠藤さんのいる方とは反対側の窓に向けて屈んだ姿勢の状態で片手を動かした。
手が何かに触れて何かを掴んだので、これは口紅に間違いないだろう。