ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
やっぱり迷惑だったのか。


そんな気がしていた。


だから、電話するのに抵抗があったんだ。


心のどこかで予感していた。


「やっぱ、いいです」と言いかけた時だった。


遠藤さんが嬉しそうに声を弾ませ、こう言った。


「僕は相談相手なんだ」


それから、一呼吸置いて「僕は君の相談相手でいいかな?」と笑いながら聞いてきた。


「はい」


とりあえず、そう返事する。


「そう。いつでも話を聞くよ。困ったことがあったら連絡して」


その遠藤さんの気の利いた言葉に私の胸が躍る。


ちょっとは期待してもいいんじゃないだろうか?


遠藤さんの気持ちには相変わらず、靄がかかっているけれど可能性が無きにしも非ずだ。


これから、友達になって距離をだんだん縮めていけばいい。


メール交換すれば、そのうち仲が深まるはずだ。


遠藤さんに近づけそう。


「じゃあ、メール送ってもいいですか?」


「いいよ」


「ありがとうございます」

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